2020年3月4日
春季永代経の法要が行われました。
「永代経(えいたいきょう)とはどのようなお経ですか?」という質問を受けることがあります。もしくは、「永代経法要で勤まっとるお経の中の、どれが永代経なのだろう?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「経(きょう)」は〝仏陀によって説かれた法を説く聖典〟という意味になります。「経」はインドの言葉である「sutra(スートラ/修多羅/しゅたら)」を中国で訳した言葉で、もともとの語意は「縦糸」という意味です。縦糸のように、どのように時代が変遷しても、変わることのない真理が説かれているということです。「経」は八万四千もあると言われますが、その中に「永代経」というお経はありません。「永代経」は寺院で勤める法要の名前になります。
浄土真宗における「永代経」とは「永代読経」の略で、「未来永代、末永く釋尊の説かれた真実の教えである経が読み続けられ、その経が聞き続けられ、その教えに救済され続けられる」ことを願い勤まる法要です。
多くの場合、自分に先立ち浄土に還られた方(先達・先祖)を憶念し、先達が聞き大事にしてこれた経(教)を今を生きる私も頂こう、そして未来永代子々孫々にその経(教)を伝えようという願いのもと勤まります。先達・先祖を御縁にするというかたちをとりますので、〝永代経は先祖への永代の追善供養〟という認識が強いですが、浄土真宗における「永代経」は、〝先達・先祖を御縁として私たちが経(教)を頂き未来永代に伝える〟ということが本義となります。
毎年、春と秋にこの法要を行なっています。今年も例年同様3月1日から3日間で勤まりました。ご参詣頂いたみなさまと一緒にお経をお勤めしたあと、それぞれの日にお招きした講師の方の法話をお聞き頂きました。
3月1日 講師:鮫島 宏規 先生 西雲寺(南九州市知覧町)
3月2日 講師:北村 愁平 先生 智願寺(南九州市知覧町)
3月3日 講師: 東 朋子 先生 願生寺(鹿児島市平川町)